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“TURN!TURN!TURN! (To Everything There Is A Season)” The Byrds |
またまた勝手に始めたコーナー”この一曲”。
内外、国籍を問わず心の琴線に触れた(古い表現やなあ)曲をご紹介する自己満足の隠しページ!
記念すべき第一弾はThe Byrds(ザ・バーズ・・・鳥じゃないよ)のターン、ターン、ターンであります。
米国のこのバンド、最近では車のCMで”ミスタータンブリンマン”(ボブディランのカバー)流れていたのを
耳にされた方も多いと思います。
今回の曲“TURN!TURN!TURN!は彼らの二枚目のアルバムに収録されており、元々はピート・シーガー(米国のフォーク歌手)が
聖書の一節に触発されて作曲した・・とされる曲です。The Byrdsお得意のカバー曲です、これも。
歌詞の内容は
「あらゆるものに節目があり 時節がある・・・ そして天の下には あらゆる目的のための時がある
・・・愛する時に 憎む時 戦いの時に 平和の時 抱き締めていい時に 抱擁をこらえる時
・・・」
リッケンバッカー(ギターの種類・ビートルズの”涙の乗車券”なんかのイントロもこの楽器だったと思う)で入る美しいイントロと
この示唆的な歌詞が見事にマッチした名曲です。この曲の最後の一節、未だに効力は失われていないでしょう。
「愛する時に 憎む時 和解の時は 今ならまだ遅くない (・・・A time for
love, a time for peace I swear it's not too late)」
なおこのグループはその後様々なメンバーチェンジを経てカントリーに接近したり、脱退したメンバーが
フライングブリトゥブラザーズ(名曲多数)を結成したりして活躍しました。
第二弾に続く・・・
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”Girl of the North Country” Bob Dylan |
間髪入れず第二弾!
ザ・バーズをピックアップしたらこの人を上げなきゃいけません!ご存知ボブディラン。
代表曲”風に吹かれて”などで有名ですが、難解な先入観を外して聞くと、なかなかメロディアスな曲が多いことに気付きます。
今回の「北国の少女〜Girl of the North Country〜」はもともと二枚目のアルバムThe Freewheelin' Bob Dylan
に収録されていた曲を1969年に発表されたNashville Skylineにセルフカバーで再録されたものです。
このアルバム、そもそもジャケットが好きです。是非アナログ盤が欲しいところです。
Nashville Skylinでの彼の歌声は”甘ーい!甘過ぎるよお!”ってくらいスウィートであります。
これまでのしわがれた声とは別人です。
この曲のもう一つの話題はカントリー界の大御所ジョニーキャッシュが客演(デュエット)していること。
惜しくも一昨年亡くなったこの巨人の鬼渋の歌声は必聴!この声にディランが引っ張られたような気もします。
曲の内容は”旅人にかつての恋人への想いを託して、静かに唄う・・・というシンプルなラブソング。北国の情景とかつての恋人へ
の想いが美しく交錯します。”彼女が吹雪から寒さをしのぐために暖かくしているかどうか、見てきてくれないか?”という歌詞など
(Please see if she's wearing a coat so warm,To keep her from the howlin'
winds.)、うーん解る解る。
彼の30周年記念コンサートっていうのが1995年くらいにあったんですが、錚々たる面々が錚々たる楽曲を選んで演奏した後
現れた彼が、ギター一本でこのシンプルなラブソングを歌った時は感動しました。声はかなり変容してましたが・・・。
やっぱり心を惹きつけられるのは最後の一節ですね。
”彼女はかって僕の最愛の人だった。” (She once was a true love of mine.)
第三弾に続く・・・
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こうなったら関連アーティストで繋げたろ!の第三弾はザ・バンド。
「傑作を描く時〜When I paint my masterpiece〜はもともとはボブ・ディランの曲。オリジナルアルバム収録曲ではなく、
ベストアルバム2に収録されていた曲。こんな名曲がなんで?ってくらい。
さてザ・バンド版は彼らのオリジナルアルバム「カフーツ」に収録されています。アメリカを亡命した画家のストーリーだった、
と思います。歌詞の内容はディランワールド爆発!・・・難解です。解りやすい箇所は
.「汚いゴンドラで世界一周の航行」 Sailin' 'round the world in a dirty gondola
「ああ、コカコーラの土地に戻るために!」 Oh, to be back in the land of Coca-Cola! という歌詞が、画家の放浪の身を感じ
させます。そして何よりザ・バンドの演奏が最高!ルースな感じが何ともいえません。
ザ・バンドはミュージシャンズ・ミュージシャンみたいな所があるバンドで、あのエリック・クラプトンも「ザ・バンドに入りたかった
からクリームを解散した」、「ザ・バンドに当時入りたかったがどうしても言えなかった」とか、ギターのロビーロバートソンを評して
ディランは「数学的ギターの天才」などと最大級の賛辞を送っています。よくドラムやベース、キーボードとかはギタリスト・ボーカリスト
の影に隠れがちですが、このバンドの関しては全員メインです。実際リードボーカルは曲によってちがいますし・・・。
ただ残念なのはオリジナルメンバーはもう2人亡くなっている・・・ということですね。
ザ・バンドの魅力を最大限に感じたいのならやっぱり”ラスト・ワルツ”がおすすめです。DVDも出てますね。監督はあの
マーティン・スコセッシ!!!冒頭のピンボールをしながらインタビューを受けるシーンなんか”カッチョェ〜”卒倒必至!
演奏も間違いなし!Beatles, BeachBoys,Bee-Gees, 偉大な”B”バンドのなかでも最高の部類に入るバンドと断言します。
ちなみに「カフーツ」アルバムのアートワークコンセプトは、昨年亡くなった世界最高の写真家リチャード・アベドンだったらしいです。
知らんかった・・・。更に加えてこのアルバムにはもう一人のミュージシャンズ・ミュージシャン、ヴァン・モリソンも参加してます。
第四弾に続く・・・
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流れに逆らわず、今回はヴァン・モリソン。彼はアイルランドのアーティスト。
アイルランド出身のミュージシャンはみんななにかを背負っているというか、いい意味でひとくせある人達が多いですね。
シニード・オコーナーとか、U2,ポーグス、先日のライブ8の提唱者ボブ・ゲルドフ(ブームタウン・ラッツ)とか他にもいろいろいますが、
やはり国の歴史が背景にあるのでしょうか。またそこがアイルランド出身のミュージシャンの魅力の一つに
なってる気がします。さてそのなかでヴァン・モリソンは象徴みたいな存在。まあ異論はあるかもしれませんが、
日本でいうトコロの北島三郎、サブちゃんみたいな存在でしょうか。サブちゃんほど愛想よくないとおもいますケド・・・。
アーティストとして独特の存在感があります。
よく言われることですが、”ヴァン・モリソンというひとつの音楽ジャンル”と言うしか言いようのない存在です。
第三弾のザ・バンドの項で触れた彼らの解散コンサート”ラスト・ワルツ”にもヴァン・モリソンは参加していて、キャラバンという曲を
披露しています。その時の歌唱もすばらしいもので、ザ・バンドのベーシスト故リックダンゴは「彼が解散コンサートに参加してくれたのは
光栄なことだった。彼の歌のときにステージのそでで泣いている奴もいたよ」というようなことを言っていたように思います。
今回の曲「グローリア"Gloria"」はアイルランド時代に彼が組んでいたバンド,ゼムの曲のセルフカバー。
このアルバムではなんとブルース界の大物ジョン・リー・フッカーとデュエットしています!!!濃い・濃すぎるよお〜、最高だあ!
2人の掛け合いが、空気感がたまりません。バックに多分ジョン・リー・フッカーのだと思うんですけど「クシャ・クシャ」したギターの音が
聞こえて来て、後半の曲の爆発の導火線みたいな存在になっています。二人ともかなりアドリブで歌っているようなところがあるんですが、
そこがいいんです。この競演を聞くだけでもこのアルバムを聞く価値はあるとさえ思えますね。
この曲は、パティ・スミス、U2・・・なども取り上げていたと思います。パティ・スミスバージョンもかなりいいです!
第五弾に続く・・・
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なんかカバー曲ばかり取り上げているような気もしますが今回も!
ハリー・ニルソン版"Many Rivers to Cross"。ジミー・クリフがオリジナルだったと思います。
ハリー・ニルソンは映画「真夜中のカウボーイ」の”Everybody talk'n" や バッド・フィンガーの名曲”Without
you"のカバーで
有名なボーカリストです。
今回の曲が収録されているアルバム「Pussy cats」のプロデューサーはジョンレノン。昔からジョンレノンはニルソンの歌が
お気に入りだったようでジャケットの裏写真でも仲良さ気です。当時ジョンレノンはオノ・ヨーコさんと別居していた時期だったみたいで
かなり荒れた生活を送っていた・・・と以前本で読んだ記憶があります。
しかしそれよかニルソンの顔がヤバイ!完全にOO中毒者の顔です!大丈夫か!?って感じ。
まっ、それはさておき歌はすばらしいです。
ジミー・クリフのオリジナルは甲高い声が響きますが、ニルソン版はもっと渋く、さらに泥臭い感じ。
曲の後半ではジョンも一緒に”マザー”ばりに絶叫しています。余談ですが数年前三億円事件を題材にしたテレビドラマがあったのを
覚えてます?ビートたけしと長瀬智也・松田龍平の3人が犯人という設定の。そのドラマの一番最後に松田龍平を裏切って国外逃亡
して年老いた長瀬智也がメキシコかどっかのバーでアル中になってへたり込んでいる・・・というラストシーンにこの曲が流れてました。
このアルバム「Pussy cats」のラストの曲は”Rock Around the Clock"。なかなか軽快でいいですよ。ジョンの選曲だと勝手に思ってます!
加えてミュージシャンクレジットにはリンゴ・スターやキース・ムーン、ジム・ケルトナーらの豪華メンツが記されてます。
第六弾に続く・・・
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ブリット・ポップブームも遠い昔に過ぎ去って長い事イギリスのポップ・ロックを聞いてなかったんですが、
そんな中でもコンスタントに聞きたくなるイギリスのバンドがこのザ・ザであります。もともとブームとは遠い所にいたし、
もっともっと前から活動してました。バンドっちゅ-よりフロントマンのマット・ジョンソンのプロジェクトって言った方が正しいのかも。
この人の声・キャラクターが激しくカッコいいであります。
このアルバム「ダスク」には元スミスのジョニ-・マーが全面参加して話題になりました。(加入は正確には前作から)
が「そんな”飾り”は必要ない」というファンもいたみたいです。ともあれ音的にはサイコ-にいいです、間違いなく。
実際すぐにバンドを離れますが、時折聞ける独特のサウンド&激しい新境地サウンド!は程よいポップ感をバンドに注入してます。
アルバム「ダスク」に収録されたこの曲、耳障りはこの上なくよいのですが、歌詞がこの上なくマット・ジョンソンであります!
”どれほどのふしだらな女があのドアから入り、側に横たわり、僕の心に入り込み、足に火ぶくれが出来るほどの熱い塊へと誘ったことか、
純真な心でやすらかに眠れた日々を、再び得ようと手を伸ばし泣きたくなる”
”薄れていく光の中、訪れる夜 誰かに支えてもらわなくては、誰かに支えてもらわなくては 今夜こそその時”・・・
落ち込んでいる時に聞くとドツボにはまりますが(笑)、とても美しい曲です。
オフィシャルサイトでアルバム丸々聞けます!(これってスゴくないですか?色んなオフィシャルサイト覗いたけど今までのアルバム
全曲丸々試聴できるなんてサイトありませんでしたから。) リマスター盤になって、ジャケット変わったみたいですね。
http://www.thethe.com/ (コピペで頼んます)から入って「jukebox」で聴けます!
ちなみに”This is the day"って曲をセカンドアルバムで既に出してます。”This is the day your life will surely change”ポジティ〜ブ!
"This is the night "はアンサーソングなのかな。この二曲で表と裏になってて聴き応えがありますです。
そしてこの人、ハンク・ウイリアムスのカバーアルバムなんかも出してます。これもいい!
第七弾に続く・・・ |
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邦題で”時の流れに”と題されたポール・サイモン1975年発表の曲。メロウな曲調が心地よいです。
フュージョン界の名うてのミュージシャンが多数参加しているとのこと。詳しく名前は判りませんが
なるほど洗練されています。夏がもう終わるかな・・・という気だるい夏の夕方か、秋が深まった頃に聞くのが似合うかな?
題名の通り 別れた女性に対する、キザに言えば”まだ君に夢中なんだ”的な曲です。
ポール・サイモンのボーカルが優しく・静かに響きます。
第八弾に続く・・・ |
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